【化学メーカーのなかでは安定型?】バルカー(7995)の銘柄分析【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はバルカー【7995】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・バルカーの分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
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バルカーの銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「景気敏感株にしては安定した業績 利回り平均は4%弱と高めなので高値掴みに注意したいと判断しました

バルカーの投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

バルカーってどんな会社?

バルカーの主なビジネスは下記の3つです

シール製品事業
シール製品事業
・ガスケットやOリングなどの成形パッキンが主な製品
・半導体製造産業や自動車、化学プラント、製鉄プラントなどさまざまな場所で活躍

<パッキンとガスケットの違い>
どちらも液体やガスが管の外に漏れることを防ぐためや、
外部からの異物の侵入を防止するために使用されます
このことを「シールする」という

パッキンは、動く場所に使用される「運動用のシール材」を指します
例:水筒の蓋部分につけるゴム状のアレ
水筒を逆さにしても中の飲み物がこぼれないのは、パッキンが使われているからです

ガスケットは、動かない場所に使用される「固定用のシール材」を指します
例:ボルトでつながった配管と配管のつなぎ目のシールに使用

機能樹脂製品事業
機能樹脂製品事業
・電気を通さないためのフィルムやテープ、ガラスクロス、他にもフッ素基板、粘着テープなど機能性樹脂を原料としたさまざまな製品を作っています

シリコンウエハーリサイクル事業他
シリコンウエハーリサイクル事業
・半導体メーカーで使用されたシリコンウエハーを買い取り、新たなシリコンウエハーに生まれ変わらせ、販売する事業

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:3月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は9月、期末配当は3月

配当支払い月:中間配当は12月、期末配当は6月

バルカー 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

バルカーの売上高グラフ

長期のながれでは増加傾向にありますが、リーマンショックやコロナショックなどのタイミングでは大きく下落

一般的にバルカーが属している化学系の銘柄は景気の影響を受けやすいです

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

バルカーの営業利益率グラフ

ここ数年は10%を超える年もあり、2010年代前半よりも良い水準であるといえます

2021年からは材料コストが高騰していながらも10%前後を維持できているので、
材料コスト上昇分を製品価格にしっかりと転嫁できていると考えられます

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

バルカーのEPSグラフ

年によって上下しているものの、長期的にみると上昇傾向ですね

2022,23年に過去最高を更新
毎年この勢いを続けるのは難しいと思いますが
数年かけて再び更新するような成長に期待したいです

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
バルカーの自己資本比率グラフ

下限目安である50%をラクラク超える60%代で推移

非常に安定した財務であり、倒産リスクも小さいと考えられます

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

バルカーの営業CFグラフ

2008年以降でマイナスの年はなく、2012年以降は順調に金額をのばしています

2024年はガクっとおちていますが、純粋に当期純利益が少なかったため
内訳をみても問題となりそうな点はなさそうです

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

バルカーのFCFグラフ

2008年以降で2024年は初めてのマイナス

営業CFがすくなかったこともありますが、
機能樹脂製品の新工場の着工・進行などによる投資CFの増加が要因です

将来性の面ではプラスと考えてもよいでしょう

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

バルカーの一株配当グラフ

2010年以降で減配があったのは2021年の一度だけ
それでも翌年は約31%もの増配を記録しています

景気敏感株であることは違いないのですが
そのなかでも比較的安定した業績、配当を維持している銘柄のひとつです

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

バルカーの配当性向グラフ

過去には配当性向が高く、利益のほとんどを配当金として出していた時期もありますが、
ここ数年は40%~60%のレンジで落ち着いています

2024/7時点における配当政策では「株主還元性向」50%を目標とする、と明言しています
今後も利益が出た年はしっかりと株主への還元に期待できる銘柄といえるでしょう

<株主還元性向とは?>
(配当金(円) + 自社株買いの金額(円)) ÷ 当期純利益(円)で算出
計算結果が大きいほど利益を株主に還元していると判断できる<自社株買いとは?>
企業が自ら発行した株式を、自らの資金で市場から購入すること
市場に出回る株が少なくなると株価が上がりやすくなるので、配当金とならぶ株主還元
もっと詳しく知りたい方はこちら

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

バルカーの配当利回りグラフ

平均3.91%、最大5.71%
ここ数年だけみても4%代は普通の水準

あまり低い利回りで買うと損失をかかえやすくなってしまうので、
せめて4.3%くらいになるまで待ってからの購入がよさそうです

株価推移(2023/7時点)

2008年からの株価推移は下記のとおり

バルカーの株価チャート
※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2022/7の株価は2737円
記事を更新した2024/7の株価は3530円

長期的にみて上昇トレンドで直近の高値をつよく上抜けしています
もうすこし利回りが高くなったら購入したいですね

最新の株価は下記リンクからどうぞ

7995 バルカー 株価 Googleファイナンス

バルカー特有の投資リスク

・主力の「シール製品」、「機能性樹脂」に使用する材料が今後
PFAS規制に該当する可能性がある点

<PFAS規制とは?>
PFASは有機フッ素化合物の総称
耐熱性や科学的安定性、耐薬品性などの特性があり、
さまざまな業界、用途で使用されるPFASは残留性の高さが
人の健康、環境に対して危険性があることから
EUにおいてPFASを一定以上の濃度含有する混合物、成型品の使用を
禁止する案がでている
詳しくは下記リンク先からどうぞ
日本経団連 EUにおける化学物質規制の動向

バルカーの将来性

とりあつかう製品は多くの産業で必要不可欠なため、将来性はあるでしょう

一方で、PFAS規制次第では投資対象からはずす可能性も考えています

まとめ

バルカー【7995】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

バルカーの投資判断

業績が景気に影響されやすい化学系の銘柄ですが、比較的安定した業績を残している銘柄

購入するタイミングだけ気を付けていれば、大ケガは避けられそうですね

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一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選

この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!