【意外と景気に敏感?】CDS(2169)を徹底分析!【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はCDS【2169】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・CDSの分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
スポンサーリンク

CDSの銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「収益性は改善傾向 利回りがあがりにくいが、3.8程度を超えるまでは購入を控えたいと判断しました

CDSの投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

CDSってどんな会社?

CDSの主なビジネスは下記の3つです

ドキュメンテーション事業

・技術情報をベースにドキュメント類の製作や多言語翻訳を行う
・具体的には、取扱説明書、サービス手順書、販売促進に用いるプロモーション動画、Webコンテンツ、これらのコンテンツを海外向けに翻訳など

エンジニアリング事業

・FAロボット(Factory Automation ロボット:生産工程を自動化するロボットの総称)システム開発と3D-CADによる設計支援を行う
・自動車から航空機、医療機器、食品業界などの産業設備まで幅広く展開

技術システム事業

・コンピュータシステムの開発や運用、企画、コンサルティング事業、受託解析などを行う
・自動車や航空宇宙関連、産業機器メカトロ、流通、物流、エネルギー関連、教育などの分野に事業展開

ドキュメンテーション事業がメインのビジネスですが、
ほかの2事業も全体の20%~35%弱の利益を出しており、
事業間でかたよりなく利益をあげているのが特徴です

主な取引先は『三菱自動車工業』で、2023年度における売上高の約33%を占めています

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:12月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は6月、期末配当は12月

配当支払い月:中間配当は9月、期末配当は3月

CDS 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

CDSの売上高グラフ

2019年までは安定かつ順調な成長をみせていましたが、2020、2021年と失速
2022年はすこし盛り返してきました

原因としては、コロナウイルス感染拡大による営業活動の制限、新規受注の減少、自動車業界での生産台数の大幅な落ち込みのためです

将来の見通しとしては5Gに関連した製品開発やDX(デジタル・トランスフォーメーション)、
電気自動車の推進をはじめとした脱炭素化への取り組みなど材料は豊富で、
CDSにおける事業への需要拡大がみこまれます

<5Gとは?>
「第5世代移動通信システム」の略
ひとつの基地局に対し多くの端末が接続できる、通信のタイムラグがより小さくなることが特徴

車の自動運転化や遠隔医療の実現、大容量動画などのダウンロード時間短縮などが実現可能といわれている

<DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?>

デジタル技術の活用によって製品・サービスやビジネスモデルに変革を目指すこと

具体例:
昔は写真を現像して身内とシェアしていましたが、今ではデータでやり取りができるようになりました
この変化によりSNSを中心にオンラインで世界中の人々が写真データをシェアできるようになったこと

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

CDSの営業利益率グラフ

2020年はわずかに10%を切りましたが、おおむね10%以上をキープ
2022年は2009年以降で最高水準に

営業利益率が低いもしくは前年から大きく下がっているのは2009、2010、2020年
2009、2010年はリーマンショック、
2020年はコロナウイルス感染拡大による影響であることを踏まえると、
意外と景気に敏感なビジネスモデルであると考えています

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

CDSのEPSグラフ

2020年にコロナウイルスの影響を受けて急落しましたが、2022年は2009年以降で最高水準に

収益性が心配されましたが現時点では問題ないと判断してもよさそうです

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
CDSの自己資本比率

2008年以降で50%を割ることはない上に、2015年以降は70%以上と財務は非常に健全

財務状況は問題ないので数年程度の業績不振であれば会社が傾くようなことはないでしょう

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

CDSの営業CFグラフ

2008年以降、リーマンショックやコロナウイルスの感染拡大などありましたが、毎年プラスを維持

浮き沈みが大きいですが、資金繰りに問題はなさそうです

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

CDSのフリーCFグラフ

おおむねプラスを維持できており、営業CFと比較するとフリーCFの方が少ないので、
しっかりと投資にもお金を回していることがわかる

具体的には、2017~2020年は営業CFに対してフリーCFの金額が3~5億円少なくなっており、
投資CFが発生しています

その内訳は下記のとおりです
2017年 グループ会社のMCOR(技術システム事業)の新社屋建設に約4.3億円
2018年 グループ会社のバイナス(エンジニアリング事業)の新工場用に約5.7億円
2019年 グループ会社のバイナス(エンジニアリング事業)の新工場用に約5.8億円
2020年 CDS名古屋支社の移転に約4.3億円

事業の継続、拡大のための投資も無理のない範囲で行われているので、
今後の業績への反映に期待したいですね

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

CDSの一株配当グラフ

現状維持の年があるものの、2009年から減配が一度もなく安定感◎

配当の伸びはゆるやかですが、今後もこの姿勢を維持してもらいたいですね

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

CDSの配当性向グラフ

※EPSがマイナスの年度は配当性向を算出できないため「0%」としています

最低でも現状維持で配当を出してきたため、
EPSが低かった年度は配当性向が高くなっていますが、
ここ10年は40%~60%の間に落ち着き安定水準に

『長期的な安定配当を維持する方針』なので、
よほどのことがない限りどちらかに大きく外れることはないだろうと思っています

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

CDSの配当利回りグラフ

2012年以降、平均の3.75%を行ったり来たりしていますね

最大は2011年の4.85%ですが、その水準まで利回りが高くなるケースは少なそうです
(〇〇ショックなどで短期的に到達する可能性は十分あります)

そのため、2012年以降の最大値である4.19%付近で積極的に購入するのがよさそう

ただし、他の業種ほどではないにせよ、景気に敏感な銘柄なので何回かに分割して購入したいですね

株価推移(2023年4月時点)

2014年からの株価の推移は下記のとおり

CDSの株価チャート

※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2022/5の株価は2169円
記事を更新した2023/4の株価は1815円

現在の配当利回りは、3.8%程度なので
買えなくはないけど積極的には買いづらい印象

最新の株価は下記リンクからどうぞ
2169 CDS Googleファイナンス

CDS特有の投資リスク

・企業間競争、技術革新が激しい産業との取引が多い
(自動車産業、情報家電産業、産業・工作機械産業など)
CDSが技術の発展や製品のライフサイクルの短期化についていけなくなった場合は、
業績の悪化が心配される

・三菱自動車工業の売上高に占める割合が約28%と高いこと
自動車産業は景気の影響をうけやすい分野なので、
CDSはサービス業ながらも景気の影響をうけやすい

・三菱自動車工業とのあいだにサービスレベル契約があること
この契約により、契約期間内は三菱自動車工業からの業務発注量の下限が保証されている
契約期間は2024/3/31までなので、
契約更新の内容次第ではCDSの業績に影響をあたえる可能性があります

CDSの将来性

三菱自動車工業との取引割合がおおきいのは不安点でもあり、強みでもある
自動車業界は要求される品質が高いので、ノウハウの蓄積ができるからです

さいわいなことに、さまざまな分野への進出はできているようなので、
蓄積されたノウハウをもとに他分野でも売り上げをのばしていければ、
より安定した業績になるとおもいます

まとめ

CDS【2169】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

CDSの投資判断

コロナで停滞した収益性は改善傾向
今後、CDSの製品需要が増えそうな材料があるので
(5Gの普及、DX、電気自動車をはじめとした脱炭素化 など)
収益の動向に注意しながら、利回りが4.19%付近になれば積極的に分割購入を検討したいですね

一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選

この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!