【好業績、高財務、高配当!】アルプス技研(4641)を徹底分析!【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はアルプス技研【4641】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・アルプス技研の分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
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アルプス技研の銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「収益性、財務および将来性、配当性 どの項目をみても数値的には問題なさそう 配当利回りが常に高めなので、4%を超えるまで待ってから買っていきたいと判断しました

アルプス技研の投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

アルプス技研ってどんな会社?

アルプス技研の主なビジネスは下記の2つです

アウトソーシングサービス事業

・機械、電気、情報処理設計などの設計技術者を派遣し、
顧客企業の設計開発をサポート、技術プロジェクトの受託
・CADオペレーション、オフィスサポート、農業、介護分野への人材派遣、受託、請負

グローバル事業

・海外におけるプラント設備、機械・設備機器などの据付、メンテナンス
・海外の人材が日本で働く際に必要な、言語、ビジネスマナーなどの教育、人材育成
・来日のための就業ビザ取得、日本での住居手続き、就業開始後の生活面をサポート

2つの事業のうち「アウトソーシングサービス事業」がメインのビジネスです

取引先は下記のとおり

半導体関連:東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ、キオクシア、ソニーセミコンダクタ、日立ハイテク など
電機関連:三菱電機、東京エレクトロン宮城 など
精密機器関連:ニコン など
自動車関連:日立Astemo、デンソーテン など

半導体関連の企業との取引が特に伸びているようです

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:12月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は6月、期末配当は12月

配当支払い月:中間配当は9月、期末配当は3月

アルプス技研 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

アルプス技研の売上高グラフ

2020年は前年比-1.7%でしたが、それを除くと2009年以降は順調な右肩上がり

別の記事で紹介しているアルトナー【2163】と同じように、
・設計開発向けの人材は企業が研究開発に予算をつかう限り必要とされるため、
需要がなくなりにくい
・最先端技術の設計開発ができる人材を派遣するため、
通常の人材紹介・派遣業とは異なり、差別化されている

背景から安定した売上を確保できると考えています

アルトナー【2163】については以下の記事にて

【不況にも強い人材紹介銘柄!】アルトナー(2163)を徹底分析!【高配当】
アルトナー(2163)の銘柄分析です。会社概要からはじまり、収益性、財務の安定性・将来性、配当性の3つの角度からみた見解をわかりやすくまとめました。株価推移や投資リスクも掲載。自分以外の意見も参考にしたい、銘柄分析にかける時間を短縮したい、そんな悩みを解決します。

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

アルプス技研の営業利益率グラフ

2016年以降はおおむね10%を超える水準で推移しています
ひきつづき現状維持以上を目指してほしいですね

2009年に大きくマイナスになっているのは、2008年のリーマンショックをきっかけに
製造業各社で設計開発部門への派遣要請が減少したことにより
稼働率が大幅に低下したことによります

また、業界の競争が激しくなったことによる契約単価の下落も要因のひとつです

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

アルプス技研のEPSグラフ

2012年以降は非常に強い右肩上がりで推移しています

2009年の営業利益率はマイナスだったもののEPSはプラスになっています
これは約12.6億円(前年比191倍)もの雇用調整助成金による収入があり純利益はプラスだったためです

<雇用調整助成金とは?>
景気変動などの経済上の理由により事業活動の縮小をおこなった事業主が、労働者を休業、教育訓練、出向などをさせることにより雇用維持に努めた場合に、
それにかかった費用を国が助成する制度
コロナウイルス感染拡大時にも適用されました

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
アルプス技研の自己資本比率グラフ

2009年の76.7%を最大として緩やかな右肩下がりになっていますが、
下限目安である50%を下回らない水準で推移しています

2023/12における負債は81億円
そのうち短期借入金が2.2億円、長期借入金が2100万円
自己資本は160億円あり、負債に対しても借入金に対しても十分に余裕があるので、
倒産するような状況ではないといえます

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

アルプス技研の営業CFグラフ

2009年はマイナスですが、2010年からは毎年プラスで資金繰りに問題はなく、
黒字倒産の心配もなさそう
です

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

アルプス技研のフリーCFグラフ

営業CFと同じように、2011年以降プラスで推移していて安定感があります

一方でフリーCFがマイナスにならない範囲で将来に向けた投資もおこなっています

例えば、海外に職業訓練学校を開校し、現地の人材の教育、採用に力をいれる
製造業だけでなく、農業、介護事業に力をいれるためグループ会社、関連会社の拡大など

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

アルプス技研の一株配当グラフ

2010年から2022年で減配が2回あるものの、基本的に増配傾向

2024年2月の決算説明会で発表された配当政策は下記のとおり

・連結ベースでの配当性向50%を基本とする
・中間配当金は年間配当金の50%を目処とする
・業績にかかわらず年間配当10円を維持する

利益を株主に還元する姿勢はかなり強いものの、業績次第では減配する方針とも解釈できます
今後も今の業績がつづく保証はないので、投資をする際は、ほかの銘柄への分散も重要です

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

アルプス技研の配当性向グラフ

2014年までは不安定な配当性向でしたが、2015年以降はほぼ50%前後

「連結ベースでの配当性向50%とする方針」なので、
業績がしっかりと伸びれば配当も同様に増配してくれるでしょう

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

アルプス技研の配当利回りグラフ

平均は3.9%、低くても2.61%ということで、配当利回りが常に高め(株価が安い)の銘柄

配当利回りがあまり高くない状態で買ってしまうと高値づかみになりそう
せめて4%以上は欲しいですね

株価推移(2024年3月時点)

2004年からの株価の推移は下記のとおり

アルプス技研の株価チャート

※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2022/5の株価は1885円
記事を更新した2024/3の株価は2695円
最高値を上抜けてここらで停滞できるか要注目です

最新の株価は下記リンクからどうぞ
4641 アルプス技研 Googleファイナンス

アルプス技研特有の投資リスク

・少子高齢化、労働人口の減少による人材確保がむずかしくなる
一方で、海外の優秀な人材を確保する取り組みをおこなっている

・はたらき方改革に関連する、改正労働者派遣法(2020年4月1日施工)による影響
これに対し、無期雇用による技術者派遣事業をつづけ、安定した雇用、待遇を確保している

労働人口についてのリスクはどの企業もですが、人材派遣業では特に影響がありそうです

アルプス技研の将来性

今後も需要があると思われる、半導体関連企業との取引がおおいのは強みと考えてもよいでしょう

他にも、これから需要の拡大が期待される
農業や介護などの新しい分野にも力をいれている点も将来性の観点ではプラス

一方で、少子高齢化による労働人口の減少はマイナス要因なので、
海外の人材を確保するなどの対応に期待したいです

まとめ

アルプス技研【4641】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

アルプス技研の投資判断

2023年までの決算データから判断すると特別悪い項目がなく、上記の判断となりました

気になる点としては「配当が業績次第な点」、
「ますます高齢化、人口減少が進む日本でどのようにビジネス展開していくか」
でしょうか

ただ、農業、介護分野にも着手しているので、今後さらなる業績拡大に期待したいです

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この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!