【不況にも強い人材紹介銘柄!】アルトナー(2163)を徹底分析!【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はアルトナー【2163】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・アルトナーの分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
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アルトナーの銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「業績、財務は安定、直近の配当性向が高いのが気になるので、配当利回り5%を超えるあたりから少しずつ買いたいと判断しました

アルトナーの投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

アルトナーってどんな会社?

アルトナーの主なビジネスは下記の2つです

技術者派遣事業

・設計技術者を顧客企業に派遣し専門的技術を提供することで、顧客企業の設計開発をサポートする
・具体的には、クルマやIoT機器の制御ソフトや情報処理(ユーザーにサービスを提供するシステムやアプリケーションソフトウェアの開発)、電気・電子(回路基板設計など)、機械(CADソフトを使った機械の仕組みの設計)など

請負・受託事業

・顧客企業から委託された業務を遂行し成果物を顧客企業に納品する

2つの事業のうち「技術者派遣事業」がメインのビジネスです

取引先は下記のとおり業種に偏りがなく、有名企業も多いため、安定した経営につながると考えられます

輸送用機械:ホンダ、SUBARU、トヨタ自動車、日産自動車 など
電気機器:パナソニック、オムロン、東京エレクトロン など
精密機械:テルモ、島津製作所、ニコン など
機械:小松製作所、ジェイテクト、SMC など
情報・通信:日立ハイシステム21 など

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:1月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は7月、期末配当は1月

配当支払い月:中間配当は10月、期末配当は4月

アルトナー 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

アルトナーの売上高グラフ

途中、リーマンショックやコロナショックなど景気が悪化する要因はあったものの順調な右肩上がり

一般的に人材紹介関係のビジネスは景気の影響を受けやすいですが、アルトナーの売上高は安定しています
これは、設計開発向けの人材は企業が研究開発に予算をつかう限り必要とされるため、需要がなくなりにくいからと考えられます

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

アルトナーの営業利益率グラフ

2017年以降は10%を超える水準で推移しています
引き続きこの水準を維持してほしいですね

2010年に大きくマイナスになっているのは、2008年のリーマンショックをきっかけに顧客の設備投資や雇用情勢が悪化し、技術者の稼働率が低下したこと、技術者の単価が下がったことが要因です

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

アルトナーのEPSグラフ

2014年以降右肩上がりで堅調に推移しています

2010年はリーマンショックによる顧客企業の設備投資減少による下落
2014年は請負事業の技術者を派遣事業へシフトしたことで売上高が減少し、利益減少したことによる下落です

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
アルトナーの自己資本比率グラフ

2010年に大きく下がっていますが、2012年以降は50%超え、今では70%を超える安全域で推移しています

2023年時点では借入金が無いようなので、負債内訳の面からみても安全性が高い

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

アルトナーの営業CFグラフ

2010年はマイナスですが、2011年からは毎年プラスで資金繰りに問題はなさそうです

過去最高額だった2021年の内訳をみてみると、「売上債権の増減額」の前年比が+2億円であり、しっかりと資金回収もできていることがわかります

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

アルトナーのFCFグラフ

営業CFと同じように、2011年以降プラスで推移していて安定感あり

営業CFの数値とほとんど差がありませんが、これは投資CFが少ないためです

投資をしていない=将来性が無い
と思われるかもしれませんが、そういう訳でもありません

「人材派遣」がメイン事業なので、製造業などのように大きな設備投資の必要が無く、投資CFが少なくなるからです
※「人材」に関係する費用は営業CFに反映されます

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2012年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

アルトナーの一株配当グラフ

2013年から2014年で減配が一回あるものの、それからは毎年増配をつづけています

2023年は前年比+73.9%と大幅な増配を発表
理由は、増配により株価、時価総額をあげて東証プライムの上場基準を維持するため
だとおもわれます

利益を株主に還元する姿勢はあるものの、業績次第では減配する可能性もある銘柄
投資をする際は万が一のことも考えて、ほかの銘柄への分散が必要です
(赤字だった2010年度は無配でした)

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2009年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

アルトナーの配当性向グラフ

※EPSがマイナスの年度は配当性向を算出できないため「0%」としています

2015~2022年は約25%~約37%で無理のない水準
一方で2023年は71.2%ですこし還元しすぎな水準になりました

プライム市場への上場基準を満たすために時価総額を上げようとしており、
今後は配当性向を50%を目標にする方針です

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2012年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

アルトナーの配当利回りグラフ

平均は3.44%であり、2016年~2021年はかなり利回りが低い(株価が高い)状態だった

大幅増配により利回りの最大は6.02%となりましたが、
「東証プライム上場基準達成のための増配」が思惑としてあるのでは?と考えています
達成されれば減配の可能性がゼロともいいきれません

また同業種よりも景気に左右されにくいようですが、過去に無配の時期があったので、
ほかの銘柄への分散投資も考えるべき銘柄です

株価推移(2023年4月時点)

2008年からの株価推移は下記のとおり

アルトナーの株価推移

※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2022/4の株価は829円
記事を更新した2023/4の株価は1344円

現在の配当利回りは4.76%程度ですが、減配リスクをふまえて強気すぎる買いはひかえたいですね
株価も高値圏なので

最新の株価は下記リンクからどうぞ
2163 アルトナー Googleファイナンス

アルトナー特有の投資リスク

・自動車関連メーカーの業績について
トヨタやホンダなど自動車メーカーについての売上高構成比率がたかいので、
それらの企業の事業環境が変わると、
アルトナーの業績にも影響がある可能性がたかい

・適切な派遣先の確保について
技術者にたいして適切な派遣先がみつからない場合は、
稼働率がわるくなる、技術者単価が下がる可能性があり、業績に影響をおよぼす

・理工系学生の確保について
少子化などの影響により、
理工系卒の学生が減少することで優秀な学生の確保が難しくなり、
業績に影響がでる可能性がある

アルトナーの将来性

今後ますます発展が期待される
製造業分野で多くの有名企業とつながりがある点は大きなつよみ
少子化により人材が減っていく状況なので、
もとめられる技術にマッチした適切な人材の確保をできるかがポイントだとおもいます

まとめ

アルトナー【2163】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

アルトナーの投資判断

過去の決算データからもわかるように、人材紹介系のなかでは不況に強い銘柄
直近の配当性向が高いのが気になるので、
利回りが5%を超えたあたりからコツコツ買い集めていくのがよさそうです

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どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!