こんにちは、ろこもこです!
高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい
わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました
このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!
なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです
大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)
そこで今回はアイカ工業【4206】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います
この記事を読むことで
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
アイカ工業の銘柄分析結果
結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「ここ数年は収益性が微妙 利回り3.8%越えを目安に購入を検討したいが、あまり買いすぎないように注意したい」と判断しました
その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します
アイカ工業ってどんな会社?
アイカ工業の主なビジネスは下記の2つです
化成品事業
・メインとなる製品は「接着剤」、「建設樹脂」、「機能材料」の3種
・「接着剤」は木と木をくっつけるための「合板用接着剤」と、断熱材同士や靴のソールをくっつける、半導体チップを保護するなどに使われる「工業用接着剤、樹脂」に分類される
・建設樹脂:建物の内装や外装の仕上げ塗材、道路や橋梁の補修、補強材など
・機能材料:自動車のヘッドランプ向けのホットメルトやスマートフォン向けUV硬化樹脂など
・売上高の約58%を占める(2023年3月期)
建装建材事業
・メラミン化粧板は国内シェアNo.1
その他にも、不燃パネル、化粧フィルム、ドア、カウンターなどの建築材料を取り扱う
・売上高の約42%を占める(2023年3月期)
以上のように、2つの事業を展開していますが、
売上高比率がどちらかに偏っているわけではなく、バランスがとれた経営をしています
決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?
それぞれ以下のように決められています
決算月:3月
配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は9月、期末配当は3月
配当支払い月:中間配当は12月、期末配当は6月
アイカ工業 銘柄分析の詳細
わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ
これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています
それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう
売上高(収益性)
「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します
2008年からの推移は下記グラフのとおり
4,5年横ばいがありながらも着実に売り上げを伸ばせていますね
特に2023年は2420.6億円で過去最高の売上高に
化成品、建装建材セグメントどちらも前年に対して売上は伸びていて、
なかでも化成品セグメントの「接着剤」の伸びが前年比+23.5%と好調でした
営業利益率(収益性)
目安として、継続的に10%を超えているかを確認します
2010年からの推移は下記グラフのとおり
2017年をピークに下落が続き2022年、23年は下限目安の10%を割り込んでいる状況
要因として大きいのは、売上原価率(売上原価 ÷ 売上高)が上がっていること
2017年は約70%だったのに対して、2022年では76.5%まで上昇しています
原料の価格があがっているのは仕方ないと思うので、
独自性や付加価値を追求し、売上高を伸ばす方向での成長に期待したいですね
EPS(収益性)
増加傾向にあるかを確認します
2010年からの推移は下記グラフのとおり
売上高とは異なり停滞期が短く、長期でみて右肩上がりの成長をしています
「自社株買い⇒消却」をするとEPSがあがることになりますが、
過去に自社株買いを積極的にしてきたわけではありません
純粋に当期純利益が伸びたことによる推移と考えると、
かなり安定して業績を伸ばせているのではないでしょうか
自己資本比率(財務の安全性・将来性)
目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します
2008年からの推移は下記グラフのとおり
2008年以降、緩やかに下がってきて2022年は60%付近
借入金はあるものの、すぐに返せるような額なので数値的にも中身的にも問題なさそうな状況です
営業CF(財務の安全性・将来性)
営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します
2008年からの推移は下記グラフのとおり
浮き沈みはあるものの2008年以降、一度もマイナスになっていないのはプラス材料
化学系のセクターのなかでも景気の影響を比較的受けにくい銘柄のひとつと言えそうです
フリーCF(財務の安全性・将来性)
フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)
2008年からの推移は下記グラフのとおり
営業CFとの差をふまえると、ここ数年のなかで2020年の14.4億円が気になりますね
(営業CF182.4億円なので、営業CFの9割強を投資CFで使用したことになる)
これは、Wilsonart AP各社を子会社化するために約60億円の支出があったことが一番の要因
Wilsonart社はアイカ工業と同様にメラミン化粧板のメーカーです
欧州やアジアに展開していて、タイ、中国、オーストラリアに生産拠点を持っています
その会社を子会社化することで、さらなる海外展開をすすめるのが目的でしょう
ということなので、将来性の観点からするとプラス要因と考えて良さそう
一株当たり配当金成長性(配当性)
一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します
2010年からの推移は下記グラフのとおり
グラフでは表示しきれていませんが、14期連続増配、25期連続減配なし(2023年3月期まで)
高配当投資にピッタリな銘柄といえるでしょう
ひきつづき、この記録を伸ばしていけるよう期待したいですね
配当性向(配当性)
配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)
2008年からの推移は下記グラフのとおり
ここ数年は60%を超える年もチラホラ
財務的には問題なさそうですが、今後の業績がついてくるかに注目です
「配当性向は50%を目処に安定した株主還元、累進配当」が方針
(2023年3月期 有価証券報告書より)
よっぽど業績が悪くならない限りは、減配せずに配当を出し続けてくれると期待しています
配当利回り(配当性)
過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)
2010年からの推移は下記グラフのとおり
平均2.66%、最大3.61%
決算月である3月末の利回りだけみると、
わたしの高配当銘柄の購入基準である3.8%を超えることはありません
ただ、一年をとおしてみると3.8%を超えるタイミングはあります
そのタイミングで買い増しを検討するのが株価の上昇も期待できて良いかと
株価推移(2023年7月 時点)
2004年からの株価推移は下記のとおり
この記事をはじめて投稿した20年12月の株価は3130円
記事を更新した2023/7/17の株価は3099円
長期的にみて上昇トレンドですが、2800円~4500円の間でもみ合いがつづいています
いまの業績が続くならここからの上昇はむずかしいかもしれません
業績と株価どちらにも注目しながら投資タイミングを検討したいですね
最新の株価は下記リンクからどうぞ
4206 アイカ工業 株価 Googleファイナンス
アイカ工業特有の投資リスク
・建装建材部門は売上高にしめる割合が高く、化成品部門の外装、内装材は
日本国内の住宅、店舗、公共施設などの需要におおきく影響をうける可能性がある点
アイカ工業の将来性
建築分野だけに頼ることなく、
自動車、エレクトロニクス、日用品といった市場で需要がある
化成品にも注力している点は将来性の面でプラス材料
建装建材事業とともに成長に期待したい
まとめ
アイカ工業【4206】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり
業績は化学系の銘柄のなかでも安定していて、配当での株主還元も積極的なアイカ工業
ただし直近は収益性の悪化が心配
利回り3.8%を目安に買いすぎないように注意したいですね
一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選
この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します
どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです