【メラミン化粧板で国内トップシェア!】アイカ工業(4206)の銘柄分析【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はアイカ工業【4206】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・アイカ工業の分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
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アイカ工業の銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「ここ数年は収益性が微妙 利回り3.8%越えを目安に購入を検討したいが、あまり買いすぎないように注意したいと判断しました

アイカ工業の投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

アイカ工業ってどんな会社?

アイカ工業の主なビジネスは下記の2つです

化成品事業
化成品事業
・メインとなる製品は「接着剤」、「建設樹脂」、「機能材料」の3種
・「接着剤」は木と木をくっつけるための「合板用接着剤」と、断熱材同士や靴のソールをくっつける、半導体チップを保護するなどに使われる「工業用接着剤、樹脂」に分類される
・建設樹脂:建物の内装や外装の仕上げ塗材、道路や橋梁の補修、補強材など
・機能材料:自動車のヘッドランプ向けのホットメルトやスマートフォン向けUV硬化樹脂など
・売上高の約58%を占める(2023年3月期)

建装建材事業
建設建材事業
・メラミン化粧板は国内シェアNo.1
その他にも、不燃パネル、化粧フィルム、ドア、カウンターなどの建築材料を取り扱う
・売上高の約42%を占める(2023年3月期)

<メラミン化粧板とは?>
さまざまな家具の仕上げ材や天板に利用されています
「メラミン樹脂」と「フェノール樹脂」を含ませた紙を何枚も重ね合わせてプレスしたプラスチック板
木材や大理石とくらべて薄い、軽い、安い、頑丈といった特徴がある

以上のように、2つの事業を展開していますが、
売上高比率がどちらかに偏っているわけではなく、バランスがとれた経営をしています

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:3月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は9月、期末配当は3月

配当支払い月:中間配当は12月、期末配当は6月

アイカ工業 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

アイカ工業の売上高グラフ

4,5年横ばいがありながらも着実に売り上げを伸ばせていますね

特に2023年は2420.6億円で過去最高の売上高に
化成品、建装建材セグメントどちらも前年に対して売上は伸びていて、
なかでも化成品セグメントの「接着剤」の伸びが前年比+23.5%と好調でした

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

アイカ工業の営業利益率グラフ

2017年をピークに下落が続き2022年、23年は下限目安の10%を割り込んでいる状況

要因として大きいのは、売上原価率(売上原価 ÷ 売上高)が上がっていること
2017年は約70%だったのに対して、2022年では76.5%まで上昇しています

原料の価格があがっているのは仕方ないと思うので、
独自性や付加価値を追求し、売上高を伸ばす方向での成長に期待したいですね

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

アイカ工業のEPSグラフ

売上高とは異なり停滞期が短く、長期でみて右肩上がりの成長をしています

「自社株買い⇒消却」をするとEPSがあがることになりますが、
過去に自社株買いを積極的にしてきたわけではありません
純粋に当期純利益が伸びたことによる推移と考えると、
かなり安定して業績を伸ばせているのではないでしょうか

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
アイカ工業の自己資本比率

2008年以降、緩やかに下がってきて2022年は60%付近
借入金はあるものの、すぐに返せるような額なので数値的にも中身的にも問題なさそうな状況です

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

アイカ工業の営業CFグラフ

浮き沈みはあるものの2008年以降、一度もマイナスになっていないのはプラス材料

化学系のセクターのなかでも景気の影響を比較的受けにくい銘柄のひとつと言えそうです

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

アイカ工業のFCFグラフ

営業CFとの差をふまえると、ここ数年のなかで2020年の14.4億円が気になりますね
(営業CF182.4億円なので、営業CFの9割強を投資CFで使用したことになる)

これは、Wilsonart AP各社を子会社化するために約60億円の支出があったことが一番の要因

Wilsonart社はアイカ工業と同様にメラミン化粧板のメーカーです
欧州やアジアに展開していて、タイ、中国、オーストラリアに生産拠点を持っています
その会社を子会社化することで、さらなる海外展開をすすめるのが目的でしょう

ということなので、将来性の観点からするとプラス要因と考えて良さそう

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

アイカ工業の一株配当金グラフ

グラフでは表示しきれていませんが、14期連続増配、25期連続減配なし(2023年3月期まで)
高配当投資にピッタリな銘柄といえるでしょう

ひきつづき、この記録を伸ばしていけるよう期待したいですね

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

アイカ工業の配当性向グラフ

ここ数年は60%を超える年もチラホラ

財務的には問題なさそうですが、今後の業績がついてくるかに注目です

「配当性向は50%を目処に安定した株主還元、累進配当」が方針
(2023年3月期 有価証券報告書より)
よっぽど業績が悪くならない限りは、減配せずに配当を出し続けてくれると期待しています

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

アイカ工業の配当利回りグラフ

平均2.66%、最大3.61%
決算月である3月末の利回りだけみると、
わたしの高配当銘柄の購入基準である3.8%を超えることはありません

ただ、一年をとおしてみると3.8%を超えるタイミングはあります
そのタイミングで買い増しを検討するのが株価の上昇も期待できて良いかと

株価推移(2023年7月 時点)

2004年からの株価推移は下記のとおり

アイカ工業の株価チャート
※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した20年12月の株価は3130円
記事を更新した2023/7/17の株価は3099円

長期的にみて上昇トレンドですが、2800円~4500円の間でもみ合いがつづいています

いまの業績が続くならここからの上昇はむずかしいかもしれません
業績と株価どちらにも注目しながら投資タイミングを検討したいですね

最新の株価は下記リンクからどうぞ
4206 アイカ工業 株価 Googleファイナンス

アイカ工業特有の投資リスク

・建装建材部門は売上高にしめる割合が高く、化成品部門の外装、内装材は
日本国内の住宅、店舗、公共施設などの需要におおきく影響をうける可能性がある点

アイカ工業の将来性

建築分野だけに頼ることなく、
自動車、エレクトロニクス、日用品といった市場で需要がある
化成品にも注力している点は将来性の面でプラス材料

建装建材事業とともに成長に期待したい

まとめ

アイカ工業【4206】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

アイカ工業の投資判断

業績は化学系の銘柄のなかでも安定していて、配当での株主還元も積極的なアイカ工業
ただし直近は収益性の悪化が心配
利回り3.8%を目安に買いすぎないように注意したい
ですね

一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選

この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!