【中国の動向に注意!】FUJI(6134)の銘柄分析【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はFUJI【6134】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・FUJIの分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
スポンサーリンク

FUJIの銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「収益性については中国向けビジネスの今後に注意、財務は同業種内で比較しても高水準、
配当関連は過去に減配あり
と判断しました

FUJIの投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

FUJIってどんな会社?

FUJIのおもなビジネスは下記2つの事業

ロボットソリューション事業

・プリント基板に電子部品を装着するロボット
半導体のダイボンディング工程でつかわれる「ダイボンダ装置」をメインに製造、販売している

<ダイボンディングとは?>
シリコンなどでできた薄い円盤(ウエハー)から切り出した「ダイ」を
パッケージに収納するために基板に貼りつける工程のこと<ダイとは?>
ウエハーに配線や素子のパターンを焼き付け、
切手シートのように格子状に切り分けられたチップのこと
引用元:株式会社FUJI 事業紹介 https://www.fasford-tech.com/field/works/

・おもな業種別の売上高割合は、車載22%、半導体関連が17%、通信16%、コンピュータ7%
・地域別の売上高割合は、中国31%、アジア諸国24%、米国13%、ヨーロッパ18%、日本8%
・総売上高にしめる割合は約90%(2024年3月期決算)

マシンツール事業

・金属素材を切削、加工する機械の製造、販売をおこなう
・地域別の売上高割合は、日本35%、米国26%、他北米9%、中国14%、他アジア7%
・総売上高にしめる割合は約8.2%(2024年3月期決算)

売上のほとんどがロボットソリューション事業によるもの
中国の割合が約31%と高いため、中国経済の状況にはアンテナをはっておきたい

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:3月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は9月、期末配当は3月

配当支払い月:中間配当は12月、期末配当は6月

FUJI 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

FUJIの売上高グラフ推移

2018年以降に急成長してきた印象

つねに増収できている銘柄ではないので
10年をこえるくらい長いスパンで投資を考えたほうがよさそう

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

FUJIの営業利益率グラフ

一時的に落ち込むことはありつつも、おおむね下限目安10%以上をクリア

近年はピーク時の20%弱で推移できていたが、2024年は10%強に
原料高などの影響で部品代の高騰もあるが、水準の維持・成長に期待したい

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

FUJIのEPSグラフ

2023年までは緩やかな成長をつづけられていました

2024は販売数量減、材料費高騰の影響を大きく受けて大幅な減少

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
FUJIの自己資本比率グラフ

 

2008年以降、70%以上で推移しています

負債の内訳に借入金はなく、財務に心配はありません
長いスパンで投資を考える際の安心材料になりますね

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

FUJIの営業CFグラフ

営業CFは2008年以降マイナスなし

自己資本比率の項目でもふれましたが、
借入なしでこのCFなので資金繰りについては心配しなくても大丈夫そうです

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

FUJIのFCFグラフ

ここ数年でみると、2019年の-242.7億円が気になりますね

理由は半導体製造装置の製造、販売をおこなう、
ファスフォードテクノロジーを連結子会社するための株式取得により
約217億円の支出があったため

将来を見据えた投資であり、業績への影響を見守りたいとおもいます

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

FUJIの一株配当金グラフ

2014年までは減配があったものの、それ以降は増配か現状維持

景気に敏感な銘柄なので、今後の業績次第では減配がないともいいきれません
集中投資していると減配ダメージがおおきいので分散投資で対応したいですね

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

FUJIの配当性向グラフ

※EPSがマイナスの年度は配当性向を算出できないため「0%」としています

2015年以降は20%~40%の間で推移

2024年は業績がふるわなかったものの、配当は据え置きだったため配当性向が上がるかたちに
何年も継続できる水準ではないと思うので、
今後、収益を改善していけるかがポイントですね

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

FUJIの配当利回りグラフ

平均2.42%、最大3.58%

「高配当銘柄」と呼ぶには物足りない配当利回り
ただ、年間を通してみると4%を超えるタイミングがあります

そのタイミングで購入すれば値下がりリスクも軽減されて精神的にも良いとおもいます

株価推移(2024年11月 時点)

2014年からの株価の推移は下記のとおり

FUJIの株価チャート

※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2023年5月の株価は2278円
記事を更新した2024/11/4の株価は2243.5円

長期的なスパンでみれば上昇トレンドでしたが、ここ数か月はレンジ状態
業績面でも利回り面でもちょっと買いにくいですね

最新の株価は下記リンクからどうぞ

6134 FUJI 株価 Googleファイナンス

FUJI特有の投資リスク

・2024年11月時点で、売上の約90%がロボットソリューション事業

業績がひとつの事業に集中しているので、安定した業績があげにくいと考えられます

・メイン事業のロボットソリューション事業の約31%が中国での売上であること

ひとつの国や地域に売上が集中することは業績の安定化を考えるとマイナス要素
また、中国は急に輸出入の規制や法律の改正などがあることも多いため、
中国経済だけでなく政府の動向への注意も必要です

FUJIの将来性

下記2点から、FUJIに将来性はあると判断しています

・とりあつかう商品は、通信、車載、半導体関連など今後も成長を期待できる産業向けであること

・財務、キャッシュフローの状況がよく、設備投資や株主還元をする余裕があること

まとめ

FUJI【6134】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

FUJIの投資判断

業績に安定感はないものの財務やCFが優秀なので
10年以上を想定した長期の投資であれば検討の価値がありそう

購入タイミングについては注意が必要で、4%程度の利回りでの購入を検討したい

ひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか

一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選

この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!