こんにちは、ろこもこです!
高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい
わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました
このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!
なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです
大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)
そこで今回は九州旅客鉄道(JR九州)【9142】について調べましたので、
悩み解決の参考にしていただければと思います
この記事を読むことで
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
九州旅客鉄道(JR九州)の銘柄分析結果
結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「コロナ禍は厳しかったがTSMC(世界的な半導体製造メーカー)の熊本進出を機に業績の成長に期待したい」と判断しました
その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します
九州旅客鉄道(JR九州)ってどんな会社?
九州旅客鉄道(JR九州)の主なビジネスは下記の4つです
運輸サービス事業
・JR九州や九州新幹線の車両整備、改良、運行
・在来線は観光列車が特徴
・駅や列車内の整理、整頓、清掃
・JR九州バスの運行
・JR九州高速船の海上運送
建設事業
・鉄道に関わる土木、軌道、建築工事やメンテナンス
・車両と機械の設計、製作、据付、メンテナンス
・列車の運行に必要な設備(線路、変電、信号、通信設備)の新設、改良工事、メンテナンス
不動産・ホテル事業
・商業施設やオフィス、マンションなどの賃貸
・分譲マンションの販売
・駐車場、ホテル業、複合観光施設の運営
流通・外食事業
・ファミリーマート、地元の有名ブランドや特産品を豊富にそろえたお土産店舗の展開
・飲食店の運営(居酒屋、麺類、焼肉、ファーストフード店など)、パン類の製造、販売
・農産品の生産、加工、販売
・水産物加工食品の製造、販売
ビジネスサービス事業
・建設機械の販売、レンタルがメイン
・駅、車両の清掃や広告代理店業務などもおこなう
5つの事業のうち「運輸サービス事業」がメインのビジネスです
不動産・ホテル事業は景気に敏感ですが、
その他の事業は基本的に景気に左右されにくいビジネススタイルだと考えています
決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?
それぞれ以下のように決められています
決算月:3月
配当権利確定月:中間配当が9月、期末配当は3月
配当支払い月:中間配当が12月、期末配当は6月
九州旅客鉄道(JR九州) 銘柄分析の詳細
わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ
これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています
それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう
売上高(収益性)
「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します
2012年からの推移は下記グラフのとおり
2015年~2020年までは順調な右肩上がりでしたが、2021年で大きく下がっています
これは新型コロナウイルスが流行したことにより、
鉄道旅客運輸収入が減った(前年比△710億円)
流通・外食事業の収入も大幅に減った(前年比△531億円)ことが大きな要因です
建設事業、不動産・ホテル事業も前年に対して、売上高が減少
2024年はコロナウイルスの影響もおさまり、2018年の水準まで回復しています
営業利益率(収益性)
目安として、継続的に10%を超えているかを確認します
2015年からの推移は下記グラフのとおり
2017~2020年は良かったが、2021年で大幅下落でマイナスへ
その後V字回復基調です
2021年に大幅下落となった一番の要因は
運輸サービスの営業利益が大幅に減ったこと(前年比△574億円)
これは新型コロナウイルスの感染拡大による鉄道、高速船、バスの旅客需要が減ったためです
2024年はコロナウイルスの影響がなくなり下限目安である10%を超える水準まで回復しました
EPS(収益性)
増加傾向にあるかを確認します
2012年からの推移は下記グラフのとおり
2018年を起点に下降トレンドですが、2021年で底打ちした感はあります
配当の原資となる指標のため、これからの成長に期待したいところ
ちなみに2016年のEPSがとんでもない数値になっている理由は、
熊本地震により鉄道施設に被害があったためです
自己資本比率(財務の安全性・将来性)
目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します
2012年からの推移は下記グラフのとおり
長期的にみると下降トレンドで2023年は約40%まで落ちています
ただし、短期借入金(すぐに返す必要がある借金)が格段に増えているわけではないので、
いますぐに経営が傾く心配はなさそうです
収益関連の指標が回復してくれば問題ないだろうと考えています
営業CF(財務の安全性・将来性)
営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します
2015年からの推移は下記グラフのとおり
2020年まではプラスをキープできていましたが、2021年はマイナス103.6億円
営業利益率やEPSが大きくマイナスに転じているので当然といえば当然の結果
2024年は純利益の増加や棚卸資産の減少などにより、2015年以降で最高額になりました
今後、安定したプラス維持に期待したいですね
フリーCF(財務の安全性・将来性)
フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)
2015年からの推移は下記グラフのとおり
2019年以降マイナス続きですが、将来に向けた投資が多いのも事実
投資CFの内訳は以下のとおり
・大部分が固定資産の取得による支出(約1,000億円/年)
・2023年から2024年で土地に約146億円、建物に約514億円投資しています
・鉄道事業に依存するのではなく、不動産関連の事業にも力を入れていることがわかる
一株当たり配当金成長性(配当性)
一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します
2017年からの推移は下記グラフのとおり
2019年以降は増減なし
業績が厳しい年があったにも関わらず還元してくれたのはありがたいです
「2025年3月期まで1株当たり配当金の93円を下限とする」方針をかかげています
そのためすぐに減配の可能性は小さいですが、
2025年3月期までに収益がもとの水準に戻らないと減配は避けられないかもしれません
配当性向(配当性)
配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)
2017年からの推移は下記グラフのとおり
※EPSがマイナスの年度は配当性向を算出できないため「0%」としています
2021年は赤字ながらも株主還元を優先してくれました
現在の収益は黒字化しているので、
今後は配当性向40~60%の間を目指して頑張ってほしいですね
なお、会社の方針としては、「配当性向35%を目安」です
配当利回り(配当性)
過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)
2016年からの推移は下記グラフのとおり
上場してから高値が続いていたため、利回りが低い時期が長かった銘柄です
コロナウイルス感染拡大により株価が下がり、利回りは上がりましたが一時的でした
どれくらいの利回りになれば購入すべきかは個人の投資目的や環境によりますが、
過去の水準からすると3%後半~4%にもなればかなり魅力的な水準と捉えて良いでしょう
株価推移(2023年7月時点)
2017年からの株価の推移は下記のとおり
この記事をはじめて投稿した2022年4月の株価は2,554円
記事を更新した2024/6/23の株価は3,400円
株価は最高値圏ではないですが
利回りは2.7%程度なので美味しい水準ではないとおもいます
最新の株価は下記リンクからどうぞ
九州旅客鉄道(JR九州)特有の投資リスク
・九州は人口減少率がたかく、高齢者の割合もたかいため、
今後は通勤、通学による収入が減る可能性があること
・大雨や台風などによる自然災害により
鉄道車両や線路、不動産などの固定資産が被害をうける可能性があること
・鉄道の運賃改定は国の認可が必要なため、簡単に価格改定ができないこと
九州旅客鉄道(JR九州)の将来性
将来性にプラスにはたらく材料として下記があります
・半導体製造大手のTSMCや
半導体材料を取り扱うエア・ウォーターが熊本に工場を建設
これにより人やモノのながれが多くなる可能性が高いこと
・コロナ禍をきっかけに取り組んだ鉄道事業の継続的な固定費削減(140億円/年)により
収益拡大がみこめること
まとめ
九州旅客鉄道(JR九州)【9142】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり
コロナウイルスの影響はなくなり
株価上昇により利回りは美味しい水準ではなくなってしまいました
収益はまだまだ全盛期のころの水準までもどっていませんが、
今後の成長に期待できる材料はあるので、
納得できる利回りになれば購入を検討してみてはどうでしょうか?
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