【溶射加工で日本一!】トーカロ(3433)の銘柄分析【高配当】

資産運用

こんにちは、ろこもこです!

高配当株投資をするにあたってこんな悩みをもつことないですか?

・この銘柄って高配当投資としてどうなの?ほかの人の意見も聞きたい
・銘柄分析ってどの項目をチェックすればいいの?
・そもそも銘柄分析って難しそう、面倒くさそう、時間がかかりそう…
・過去の配当利回りを参考に購入タイミングを検討したい

わたしも高配当株投資をはじめた時は同じ悩みをもっていました

このような悩みを放っておいたまま投資するのはとても危険!

なぜなら、適正価格がわからないので高値で買った直後に株価が下がり続けてしまう、
業績が良いのに暴落に巻き込まれて不安になり安値で売ってしまう可能性があるからです

大事なお金を投資するのだからそんな風にはなりたくないですよね?
(配当を出さなくなるなど、想定していたシナリオが崩れたときは損切しなければいけません)

そこで今回はトーカロ【3433】について調べましたので、悩み解決の参考にしていただければと思います

この記事を読むことで

・トーカロの分析結果にふかみが増し、投資判断に自信がつく
・チェックすべき項目がわかり、自分でも優良銘柄をさがせるようになる
・銘柄分析の時間を30分以上へらし、空いた時間をすきなことに使える
・利回りの推移がわかり、株価が高いとき(利回りが低いとき)の投資をさけられる
※本文の表、グラフはクリックすることで拡大できます
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トーカロの銘柄分析結果

結論からだしてしまうと、下記表の項目を分析した結果、
「収益性、財務の安定性/将来性はかなり良い 配当は業績によって減配する可能性があるので、購入単価が高くなりすぎないよう注意したいと判断しました

トーカロの投資判断

その理由を会社概要と銘柄分析の詳細をもとに説明します

トーカロってどんな会社?

トーカロのおもなビジネスは溶射加工ですが下記3つの事業に分かれています

溶射加工
溶射加工
・半導体やディスプレイ製造装置向けの部品をはじめとし、発電用ガスタービン、軸受け、鉄鋼および製紙用ロールなどに対し溶射加工をおこなう
・同業他社とくらべて溶射の種類が豊富
国内の溶射市場の約4割強をしめる
・総売上高にしめる割合は約75%
そのなかでも半導体やディスプレイ製造装置の部品向けの売上高が約48%をしめる

<溶射加工とは?>
溶射材料とよばれる金属やセラミックスなどを、さまざまな熱源によって液状にし加工物の表面に吹き付ける
吹き付けられた溶射材料がすぐに冷えて固まることで加工物に被膜をつくる加工方法
加工物は膜により、電気絶縁性や耐熱性、耐摩耗性などの性能を得ることができる

国内子会社

・切削工具や刃物、金型の表面を摩耗につよくしたり、耐腐食性をあたえるために蒸着処理をおこなっている
・総売上高にしめる割合は約5%

<蒸着とは?>
真空中でチタンやクロムなどの金属を気化させ、対象物の表面に付着させることで膜をつくる方法
溶射と同じように、加工物の表面にさまざまな性能をもたせることができる

海外子会社

おもに中国、台湾市場で溶射加工をおこなっている
・アメリカにも子会社があり、半導体の製造装置向け部品のメンテナンス事業をてがける
・総売上高にしめる割合は約14%

以上のように3つの事業がありますが、どれも金属の表面に膜をつくることで特性をあたえる事業です

決算月、配当権利確定月、配当支払い月はいつ?

それぞれ以下のように決められています

決算月:3月

配当権利確定月:中間配当と期末配当の年2回あり、中間配当は9月、期末配当は3月

配当支払い月:中間配当は12月、期末配当は6月

トーカロ 銘柄分析の詳細

わたしが銘柄分析のときに注目する項目は、「収益性」「財務の安全性・将来性」「配当性」の3つ

これらを総合的にみて投資対象として適切かを判断しています

それぞれの項目は、さらに2~3個の要素に分けられるので、ひとつずつ確認していきましょう

売上高(収益性)

「売上高」は企業が利益を計算するための源泉となる数値であり、増加傾向にあるかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

トーカロの売上高グラフ

きれいな右肩あがりで順調に推移していますね

コロナウイルスの感染拡大が確認された2020/3以降もおおきく下がることなく安定した成長ぶり
その一方で半導体やディスプレイ向けの売上が多いので、
世界経済の停滞がうわさされている2023年以降はすこし不安もあります

営業利益率(収益性)

目安として、継続的に10%を超えているかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<営業利益率とは?>
営業利益率(%)=営業利益(円) ÷ 売上高(円) で算出でき、本業で稼ぐ力を表します

トーカロの営業利益率グラフ

つねに下限目安の10%をおおきく上回る水準で推移
さすが日本のトップシェアメーカー!

直近では2020/3がすこし下落があり17.2%に
おもな要因は売上減によるものです

それでも2021,22年はさまざまな材料が値上がりしているなかで、
過去最高の営業利益率となっています
この要因は半導体・ディスプレイの増収効果と”受注、稼働の平準化”によるもの

つまり、忙しいときと忙しくないときの稼働の差を小さくすることで、
工場の人員増加や時間外勤務の抑制をおこない、効率のよい生産をしているため

EPS(収益性)

増加傾向にあるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<EPSとは?>
EPS(円)=当期純利益(円) ÷ 発行済株式総数(株) で算出
一株当たりいくらの利益を出しているかを表し、配当金の原資になる重要な指標です
あの有名な投資家ウォーレンバフェットも重要視する指標のひとつ

トーカロのEPSグラフ

2015年以降右肩上がりの成長をつづけています

この成長にともない、増配もつづくことに期待したいですね

自己資本比率(財務の安全性・将来性)

目安として、50%以上の水準を維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<自己資本比率とは?>
自己資本比率(%)=自己資本 (円) ÷ 総資本(他人資本+自己資本) (円) ×100 で算出

自己資本比率が高いということは「返済しなければいけない借金が少ない」と解釈でき、安定した経営を行っていると判断できます
トーカロの自己資本比率グラフ

 

2008年以降、65%~70%を維持しています

会社の方針として「自己資本比率70%程度の維持」をかかげているので、
今後もこの水準を維持しそう
財務について現状は心配する必要なさそうです

営業CF(財務の安全性・将来性)

営業CF(キャッシュフロー)は常にプラスを維持できているかを確認します

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<営業CF(キャッシュフロー)とは?>
商品や材料を仕入れて製品やサービスを販売することで得た現金収支をあらわしたもの
つまり、本業でどれだけ現金の移動があったかをあらわします

プラスの場合は借入金の返済にあてたり、事業への投資、株主への利益還元をする余裕があり、将来性があると判断できます
マイナスが一時的なものであれば問題はありませんが、数年続くと事業を継続できなくなる危険性があります

トーカロの営業CFグラフ

コロナウイルスの感染拡大が確認された2020年は前年比マイナス18%
それでも2008年以降、一度もマイナスの年がないのは強みですね

ただし、半導体向けの取引が多いこと、2023年以降の半導体市場の雲行きが怪しいことをふまえて、今後どのような推移をしていくかは注意が必要です

フリーCF(財務の安全性・将来性)

フリーCF(キャッシュフロー)はプラスを維持できているかを確認します
(厳密にはその内訳が重要ですが、マイナス続きになっていないことは重要です)

2008年からの推移は下記グラフのとおり

<フリーCF(キャッシュフロー)とは?>
フリーCF(円)=営業CF(円) + 投資CF(円) で算出

投資CFは設備などに投資した場合にマイナスになります

マイナス分を営業CFから差し引いても手元資金がプラスであることは財務が安定、事業の将来性があると判断できます

ただし借入金の返済などのために設備を売却した場合は、投資CFがプラスになります

それによりフリーCFがプラスになっている場合は事業を縮小していると考えられるので、しっかりと内訳を確認することが大切です

トーカロのFCFグラフ

直近5年くらいは営業CFに対し、フリーCFは50%以下となっています
さらにいうと2017年のマイナスが気になりますね

2017年はコーティング設備や新工場や本社の建設など設備投資費が多かったこと
有価証券の取得に20億円かかったことがおもな理由
投資の甲斐があって、その後の収益は着々と伸びているので
2017年のマイナスは問題なしと考えていいでしょう

一株当たり配当金成長性(配当性)

一株当たりの配当金が増配(もしくは現状維持)の傾向であるかを確認します

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<一株当たりの配当金とは?>
その名のとおり、一株保有してるといくら配当金が支払われるかをあらわしたもの
のちに紹介する配当性向や配当利回りの計算にも使われます

トーカロの一株配当グラフ

直近でみると2020年は5円(前年比約-17%)減配しましたが、長期的にみると増配傾向

業績が半導体業界の状況に影響されやすく、今後も減配される可能性はありますが長期保有を考えるなら購入を検討してもよいとおもいます

配当性向(配当性)

配当性向が40%以上~60%以下であるかを確認します
(特に、60%越えが頻出していないかが重要です)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当性向とは?>
配当性向(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ EPS(一株当たりの当期純利益) (円) × 100で算出

配当性向が高いことは利益を株主へ還元することに積極的であると判断できます
ただし、高すぎると事業の運営に悪影響がでてくるので注意
逆に低すぎると、事業で稼げていないから配当をだす余裕がない、なにかあった時のための貯金を増やしている、株主に利益を還元する意欲が低いなどが考えられます

トーカロの配当性向グラフ

30%~40%の間で推移
会社の方針としては50%くらいを目指しています(2023年3月期 決算説明会)

配当性向ベースということは今後も業績に連動して減配する可能性はあることに注意

配当利回り(配当性)

過去の配当利回りの最小、平均、最大からどれくらいの利回りが適正なのかを確認します
(特に最大と平均の水準がポイントです)

2010年からの推移は下記グラフのとおり

<配当利回りとは?>
配当利回り(%)=1株当たりの配当額(円) ÷ 株価(円) ×100 で算出
株価が安くなるもしくは、1株当たりの配当額が増えるほど利回りは高くなります

トーカロの配当利回りグラフ

平均2.84%、最大3.86%
高配当株というにはもう一歩の水準かもしれませんが、
一年を通してみると4%近くになるタイミングがあります

そのタイミングを待って購入することで、値上がり益もねらえて美味しいです

株価推移(2023年7月 時点)

2005年からの株価の推移は下記のとおり

トーカロの株価チャート※TradingView提供のチャートです

この記事をはじめて投稿した2023年1月の株価は1,237円
記事を更新した2023/7/12の株価は1,397円
目立つ安値600円と目立つ高値1600円のなかでも高値寄りですね

最新の株価は下記リンクからどうぞ
3433 トーカロ 株価 Googleファイナンス

トーカロ特有の投資リスク

・半導体、FPD製造装置関連分野の売上高割合が約48%と高いこと

・東京エレクトロングループへの売上高割合が約33%と高いこと

東京エレクトロンの業績が落ち込むとトーカロへの影響もおおきいと考えられます
同社の業績も気にしておく必要があります

・大手機械メーカーが溶射加工の内製化比率をたかめた場合、
業績の悪化につながる可能性がある

トーカロの将来性

メインの半導体分野は今後ますます発展が期待される分野
国策として半導体に力をいれているのも追い風になるでしょう

ながい目で見れば将来性はある銘柄だとおもいます

まとめ

トーカロ【3433】の銘柄分析、あらためて冒頭の表を見直すと以下のとおり

トーカロの投資判断

2023年7月時点では半導体業界の動向にすこし不安はありつつも、
長い目でみるとまだまだ将来性がある業界だとおもいます
国内トップシェアなのも大きな強みです

2023年以降の業界の状況を考えると最高利回り3.86%よりも高い利回りで購入するチャンス
このタイミングを逃さずに購入していきたいですね

一日でマスターできる!決算書の読み方をまなべる本2選

この記事を読んで、じぶんでも銘柄分析をできるようになりたい!でも、何から勉強したらいいか分からない…というかたにオススメの本を2冊紹介します

どちらもよく似た構成なので特徴を一つにまとめると

・図やイラストが豊富で読み進めやすく、途中で飽きにくい
・決算書の要点にしぼって解説しているから、短時間でしっかりまなべる
・誰もが知っている企業を例に解説しているから、イメージがつきやすい
わたしのように、2冊とも買っていろんな意見を取り入れるのも一つですが、
一冊だけ選ぶのであれば、企業を例にした解説がより詳細な
「100分でわかる!決算書「分析」超入門」が個人的にはオススメです

最後まで読んでいただき、ありがとうございます
この記事があなたの投資に役立てばうれしいです

それではまた!